Invest Lab
JPMorgan Chase
ROE-PBR / DDM(総還元) / PER — 複合バリュエーション
基本情報・マーケットデータ
複合バリュエーションについて: JPMは3セグメント(CCB・CIB・AWM)を持つ米国最大の金融持株会社です。
銀行株はセグメント間相互依存が強く、SOTPよりもROE-PBR法総還元モデル(DDM拡張)PER法の3手法を加重平均する複合評価が適切です。
現在株価($)
発行済株式数(百万株)
2025/12期末: 2,696.27M
株主資本コスト(Ke)— CAPM算出
CAPMモデル: Ke = Rf + β × ERP
リスクフリーレート Rf(%)米10年債
米国10年債利回り
ベータ β 楽天証券算出
楽天証券: 1.06
株式リスクプレミアム ERP(%)
Damodaran推計: 4.5〜5.5%
算出 Ke(株主資本コスト) ---%
Ke = Rf + β × ERP = ---
バリュエーション手法
Justified PBR(ROE-PBR法)
銀行株評価の王道。ROEが正当化するPBR水準を算出し、BPSに乗じて適正株価を導きます。gは持続可能成長率(名目GDP成長率を代理変数)。
Justified PBR = (ROE − g) / (Ke − g) → FV = BPS × Justified PBR
BPS予想($)2026/12 コンセンサス
ROE予想(%)2026/12 コンセンサス
ROE(実): 15.74% / ROE(予): 16.88%

長期成長率 g(%)持続可能成長率
推奨: 3.5〜4.5%(米国名目GDP成長率)
Justified PBR ---
PBR(実): 2.15倍 / PBR(予): 2.15倍
総還元モデル(Total Payout Model)
ゴードン成長モデルの拡張版。JPMは配当に加え年間$20-25Bの自社株買いを実施しており、配当のみのDDMでは総還元の約38%しか反映できません。 総還元(配当+自社株買い)を1株あたりに換算して評価することで、より正確な理論株価を導出します。
総還元モデル(推奨)
配当のみ(参考値)
FV = Total Payout per Share / (Ke − g)
DPS予想($)D₁: 2026/12
配当(実): $5.80
自社株買い予想(年間 百万$)
2025実績: 約$25B
成長率 g(%)
総還元: 3.5〜5.0%
総還元/株($)自動計算
---
なぜ総還元モデルか: JPM 2025年実績 — 配当: ~$15.6B + 自社株買い: ~$25.2B = 総還元: ~$40.8B。 発行済株式が2,797M→2,696M(3.6%減少)と大幅に減少しており、配当のみでは株主価値の6割以上を無視することになります。
数式修正: DPS予想 = D₁(来期予想値)のため、FV = D₁ / (Ke − g) を使用。 旧バージョンでは D₁ × (1+g) / (Ke − g) と二重に成長率を適用していたバグを修正。
PER法(収益倍率法)
コンセンサスEPS予想に適正PER倍率を乗じるシンプルな手法。JPMのPERは過去5年で拡大傾向(10.3x→14.4x)。
FV = EPS予 × 適正PER
EPS予想($)2026/12 コンセンサス
EPS(実): $20.05 → EPS(予): $21.63
適正PER(倍)
PER(実): 14.43x / PER(予): 13.38x
PER推移: 2021: 10.3x → 2022: 11.1x → 2023: 10.5x → 2024: 12.1x → 2025: 14.4x。 同業種平均: 約7.0x(メガバンクプレミアムあり)。
加重平均ウェイト
3手法の加重平均で統合理論株価を算出します。合計100%に調整してください。
① Justified PBR
%
② 総還元/DDM
%
③ PER法
%
判定結果 — 統合理論株価
加重平均 理論株価(Composite Fair Value)
対現在株価 upside
手法理論株価ウェイト寄与額対現在株価
Implied指標(統合理論株価から逆算)
① Justified PBR 理論株価
├ BPS: × JPBR: x
総還元モデル 理論株価
総還元/株: ― / (Ke−g)
③ PER法 理論株価
├ EPS: × PER: x
Ke(CAPM)
統合理論株価(Composite)
クロスチェック — 手法間整合性
3手法のレンジと暗黙の前提を比較し、結果の信頼性を確認します。
感応度分析① — ROE × Ke マトリクス(PBR法)
セル値は統合理論株価(他手法は入力値固定)。★は入力値。緑=現在株価+5%超、赤=現在株価-5%未満。
感応度分析② — 総還元成長率(g) × Ke マトリクス
総還元モデルは成長率gとKeのスプレッドに極めて感応的です。セル値は統合理論株価
感応度分析③ — PER シナリオ
適正PERPER法 FV統合 FV入力値との差
ストラテジストの視点:
本モデルは「ROE-PBR法」「総還元モデル(DDM拡張)」「PER法」の3手法を加重平均し、JPMの適正株価を多角的に評価します。

留意事項:
・ゴードン成長モデル(PBR法・総還元モデル共通)は「Ke > g」が前提条件。gがKeに接近すると理論株価が発散するため、g設定は保守的に。
・総還元モデルの自社株買い予想は、規制資本要件(CET1比率目標)や経済環境で大きく変動し得ます。保守・中立・楽観の3シナリオでの検証を推奨。
・PER法は市場センチメントを反映しやすく、景気循環で変動します。正規化EPSの使用も検討してください。