日立製作所
FY27.3 1Q実績 + 上方修正会社予想ベース — SOTP中心 5手法ブレンド v3
Ticker:6501
1Q 売上収益
¥2兆7,096億 (+20.0%)
1Q 調整後OP
¥2,943億 (+39.5%)
1Q Adj.EBITA
¥3,235億 (+36.2%)
1Q 親会社NI
¥1,895億 (△1.4%)
FY27予 売上
¥11兆7,000億 (+10.5%)
FY27予 調整後OP
¥1兆4,080億 (+17.4%)
FY27予 Adj.EBITA
¥1兆5,200億 (+15.9%)
FY27予 EPS
¥201.14 (+12.2%)
通期予想に対する1Q進捗率 — ガイダンス保守性の検証
過去平均 1Q/通期 ≒ 18.1%
売上
23.2%
FY26は21.3%
調整後OP
20.9%
FY26は17.6%
Adj.EBITA
21.3%
FY26は18.1%
親会社NI
21.1%
FY26は24.0%
※ 通期予想はQ2-Q4のEBITAを前年同期比+11.4%までしか見込んでおらず、1Q実績+36.2%から大幅減速を前提。会社予想は保守的である可能性が高い。ただし1Qは在外換算差額+¥840億が示す通り円安が追い風で、その持続性は不確実。ベースは会社予想に置き、上振れは「1Q年率換算モード」とBullシナリオで表現。
※ 親会社NIが△1.4%と減益なのは、前年1Qに金融収益¥726億(今期¥86億)の一過性益があった反動。営業実態は大幅増益。
※ 親会社NIが△1.4%と減益なのは、前年1Qに金融収益¥726億(今期¥86億)の一過性益があった反動。営業実態は大幅増益。
1Q セグメント別 Adj.EBITA 実績・前年同期比
産業分野SI: CI→DSS 移管後の新区分
DSS
¥856億
11.9% / +19.8%
エナジー
¥1,291億
14.2% / +64.5%
モビリティ
¥305億
8.8% / +40.2%
CI
¥834億
11.0% / +31.9%
その他
¥45億
3.6% / +17.8%
全社・消去
▲¥95億
前年▲12億
※ エナジーが売上+36.6%・EBITA+64.5%・利益率11.8%→14.2%とセグメント間で突出。AI DC電力需要とグリッド更新投資が数字として顕在化。EBITA構成比は40%に接近し、SOTPにおける最大の価値ドライバー。単一PER/単一EV倍率では捕捉できないことがv2以上に明確。
利益ベースの選択
Bモードは1Q実績を各セグメントのFY26季節性(1Q/通期: DSS 15.0% / エナジー 18.9% / モビリティ 20.1% / CI 20.0% / その他 16.6%)で年率換算したもの。会社予想を17%上回るため上限ケースとして扱い、ベース判定はAモードを使用する。
基本情報
現在株価
発行済株式数(億株)※自己株控除後・2026/6/30
4,535,560,985 − 64,552,492 = 4,471,008,493株
ROE(FY27予想) 13.6% / 親会社持分比率 43.7% / BPS ¥1,470.31 / 1Q営業CF ¥4,962億 / 1Q FCF ¥4,671億。
※ FCFは契約負債+¥1,220億の前受で嵩上げされており、正常化FCFはこれより低位。契約負債残高は¥3兆2,136億(+¥1,590億)で受注環境は良好。
※ FCFは契約負債+¥1,220億の前受で嵩上げされており、正常化FCFはこれより低位。契約負債残高は¥3兆2,136億(+¥1,590億)で受注環境は良好。
純有利子負債(ネットキャッシュ:+)
現金 ¥15,045億 − 有利子負債 ¥10,569億(短借611 + 償還期長期4,329 + 長期5,629) = ¥4,476億(FY26.3末は¥3,144億)。
非支配持分(▲控除)
6/30 BS簿価 ¥1,891億。ただし簿価控除は過小:FY27のNCI帰属利益は¥600億(当期利益9,600 −親会社9,000)で、PER12-15倍なら価値は¥7,200-9,000億。保守的に評価するなら7200を入力(株価影響 約▲¥120)。
退職給付に係る負債(▲控除)
6/30 BS ¥2,335億(純額)。
リース負債(EBITDA法のみ▲控除)
四半期短信では区分開示なし(その他の金融負債¥3,211億/その他の非流動負債¥3,158億に内包)。有価証券報告書の注記から実額を入力推奨。EBITA系ブリッジには適用されない。
持分法投資 簿価(+加算)
6/30 BS ¥6,156億。1Q持分法投資損益¥287億(年率¥1,150億)。簿価は保守的な可能性。
有価証券等 非流動(+加算)
6/30 BS ¥5,133億(前期末▲¥803億)。1Qに¥958億の売却CFがあり政策保有株の縮減が進行中。
有価証券等 流動(+加算)
6/30 BS ¥3,744億。
のれん控除(任意・通常0)
6/30 のれん ¥2兆6,844億(+¥369億、為替影響)。EV倍率に暗黙的に含まれるため通常0。減損保守視時のみ入力。
家電事業売却 入金見込(+)
ノジマSPCへ80.1%譲渡(対価約¥1,100億)。6/30時点で未クローズ(持分法投資はほぼ横這い)。クローズ時はCIのEBITAが減少するため、入金を加算する場合はCIのEBITAを若干控除するのが厳密(家電は低採算で影響は軽微)。
後発事象 現金流出(▲)
Clever Devices買収:2026/7/1完了、対価302百万米ドル(¥479億)+借入金返済¥72億 = ¥551億。6/30 BSに未反映のため控除。モビリティのEBITAには通期予想に織込済とみなす。
Astemo追加売却 入金見込(+)
金額未確定のためデフォルト0。持分法投資簿価に内包。
その他特殊加減算(+/▲)
正=加算、負=控除。
自社株買い(v3修正②:残枠のみ控除)
総枠(億円)
既執行額(億円)
1Q CF実績
残枠実施率(%)
2026/4/27決議 上限¥5,000億・1.6億株、〜2027/3末。1Qで¥1,480億(約3,016万株)を執行済で、6/30の現金・株数に既に反映されている。したがってモデルで控除すべきは残枠 ¥3,520億のみ。総枠¥5,000億を控除すると二重計上となり株価を約▲¥190押し下げる。
EBITA系ブリッジ = ¥+15,832億 / EBITDA系ブリッジ = ¥+15,832億 / 控除する自社株買い残枠 = ¥3,520億
Forward PER(FY27会社予想EPSベース)
FY27予想EPS × ターゲットPER
上方修正後EPS ¥201.14。現在の市場は FY27予想PER 26.1倍(FY26実績PERは29.7倍)。ピア:シーメンス20倍前後、シュナイダー27倍前後、エマソン/イートン高位、アクセンチュア20倍台前半。エナジー比率上昇による再評価を織込みフェア 25-28倍(v: 26.5倍)。
注意:会社予想EPSは期中平均株式数4,474,394,906株ベースで、自社株買いを平均で織込済。期末株数(残枠完全執行時 約44.0億株)より多いため、PER法はわずかに1株価値を過小評価する(約▲1.5%)。
注意:会社予想EPSは期中平均株式数4,474,394,906株ベースで、自社株買いを平均で織込済。期末株数(残枠完全執行時 約44.0億株)より多いため、PER法はわずかに1株価値を過小評価する(約▲1.5%)。
FY27予想EPS(円)
会社予想
適用PER倍率
フェア 25-28倍
割引率(%)
割引年数(年)
FY27=当期、0で割引なし
Sum-of-the-Parts(SOTP)— メイン手法
5セグメント FY27予想Adj.EBITA × EV/EBITA + 全社費用 + BSブリッジ
倍率の導出:EV/EBITA = ピアの「フォワード」EV/EBITDA × セグメント別 EBITDA/EBITA換算係数。v2はFY26較正の倍率をそのまま使っていたが、FY27予想利益に当てると成長を二重計上する(下表の感応度で検証可)。
セグメントEBITAの推計:区分変更(産業分野SI: CI→DSS)によりFY26通期の新区分実績が存在しないため、1Q実績をFY26季節性で年率換算 → 合計を会社予想Adj.EBITA ¥15,200億に正規化。
セグメントEBITAの推計:区分変更(産業分野SI: CI→DSS)によりFY26通期の新区分実績が存在しないため、1Q実績をFY26季節性で年率換算 → 合計を会社予想Adj.EBITA ¥15,200億に正規化。
デジタルシステム&サービス(DSS)IT/AI/Lumada + 産業分野SI
FY27 Adj.EBITA(億円)
ピア EV/EBITDA(FwD)
IT/SI 10-13倍
EBITDA/EBITA換算
→ EV/EBITA 13.8x
エナジー(日立エナジー)★最大ドライバーパワーグリッド / AI DC電力 / 原子力
FY27 Adj.EBITA(億円)
ピア EV/EBITDA(FwD)
GEV/シュナイダー/イートン 15-19倍
EBITDA/EBITA換算
→ EV/EBITA 19.2x
モビリティ(タレスGTS / Clever Devices含む)鉄道システム・信号・ITS
FY27 Adj.EBITA(億円)
ピア EV/EBITDA(FwD)
アルストム/クノール 7-9倍、Wabtec高位
EBITDA/EBITA換算
→ EV/EBITA 11.7x
コネクティブインダストリーズ(CI)日立ハイテク / ビル / 家電・空調
FY27 Adj.EBITA(億円)
ピア EV/EBITDA(FwD)
半導体製造装置13-15 / エレベーター12-14 / 産機9-10
EBITDA/EBITA換算
→ EV/EBITA 14.3x
※ 家電はFY27中に持分法移行予定 → ⑨家電売却入金で調整。産業分野SIはDSSへ移管済。
その他(不動産等)安定収益
FY27 Adj.EBITA(億円)
ピア EV/EBITDA(FwD)
EBITDA/EBITA換算
→ EV/EBITA 10.8x
全社及び消去(費用)先端R&D等 / ▲計上
FY27 Adj.EBITA(負値)
資本化倍率
5-8倍
コングロディスカウント(%)
0で純SOTP
EV/EBITDA(独立クロスチェック)
EBITDA × ターゲット倍率(リース負債控除後ブリッジ)
FY27 EBITDA = 調整後OP ¥14,080億 + 減価償却等 ¥4,950億 ≒ ¥19,030億(1Q減価償却費¥1,187億の年率換算+成長分)。
現在の市場は EV/EBITDA 12.2倍。複合大手フォワード11-14倍 → 12.8倍基準。SOTPのEBITDA換算値とのクロスチェックを結果画面で自動照合。
FY27 EBITDA(億円)
14,080 + 4,950
EV/EBITDA倍率
11-14倍
DCF(段階的マージン改善モデル)— Floor検証用
5年予想 + Terminal Value
開始はFY27予想(売上¥117,000億・調整後OPM 12.0%)。WACCはPER/PBR法と7.5%に統一(v2は6.5%で不整合、かつ低すぎた:rf 1.7% + β1.1 × ERP5.5% ≒ COE 7.8%)。
FCF=NOPAT×変換率。契約負債の前受効果を除いた正常化ベースのためfloor検証用としウェイト5%。TV依存度は結果画面に表示。
開始売上(億円)
売上CAGR(%)
開始OPM(%)
最終年OPM(%)
永続成長率g(%)
FCF/NOPAT比率
WACC(%)
予想年数 / 税率(%)
PBR-ROE(バランスシート錨)
将来BPS × 妥当PBR
BPS ¥1,470.31(6/30)、FY27予想ROE 13.6%、現PBR 3.57倍。
v3修正⑤:v2はBPS成長率をROE×(1−配当性向)=9.0%としていたが、PBR3.5倍での自己株取得はBPSを減少させる。残9か月で純利益+¥7,106億、配当▲¥2,504億、自社株買い▲¥3,520億 → FY27末 親会社持分 約¥66,820億 ÷ 44.04億株 = BPS ¥1,517(年率+4.3%)。
残余利益的にはROE13.6%/COE7.75%/g3%で理論PBR 2.2倍だが、市場は成長プレミアムで3.57倍。フェア 3.2-3.6倍(v: 3.4倍)。
v3修正⑤:v2はBPS成長率をROE×(1−配当性向)=9.0%としていたが、PBR3.5倍での自己株取得はBPSを減少させる。残9か月で純利益+¥7,106億、配当▲¥2,504億、自社株買い▲¥3,520億 → FY27末 親会社持分 約¥66,820億 ÷ 44.04億株 = BPS ¥1,517(年率+4.3%)。
残余利益的にはROE13.6%/COE7.75%/g3%で理論PBR 2.2倍だが、市場は成長プレミアムで3.57倍。フェア 3.2-3.6倍(v: 3.4倍)。
BPS(円)
2026/6/30
BPS成長率(年%)
自社株買い調整後
適用PBR倍率
割引率 / 年数
ブレンドウェイト・判定閾値
① PER法(%)
② SOTP法(%)★メイン
③ EV/EBITDA法(%)
④ DCF法(%)
⑤ PBR-ROE法(%)
判定閾値(±%)
v2は15%。大型株は10%が妥当
※ 5手法ウェイト合計100%(自動正規化)。コングロマリットのためSOTPをメイン(45%)、市場倍率系(PER+EV/EBITDA=40%)とPBRで市場実勢に錨。DCFはfloor検証で軽量(5%)。
マルチアプローチ 判定結果
―円
現株価
手法別 ターゲット株価
① Forward PER
FY27予想EPS×PER
―
② SOTP(メイン)
5セグメント別合算
―
③ EV/EBITDA
償却前利益法
―
④ DCF
マージン改善DCF
―
⑤ PBR-ROE
バランスシート錨
―
ブレンドターゲット株価(5手法加重平均)―
SOTP 計算詳細(メイン手法・Equity Valueブリッジ)
セグメント
EBITA(億)
ピアEBITDA
EV/EBITA
構成比
EV(億)
SOTP Equity = (ΣセグメントEV − 全社費用×倍率)×(1−コングロディスカウント) + EBITA系ブリッジ − 自社株買い残枠。理論株価 = Equity ÷ 自社株買い調整後株式数。
市場価格クロスチェック
現在の市場価格から逆算した織込水準。EBITDA換算行でSOTP・EV/EBITDA法・市場を同一軸比較(換算係数は入力値から動的算出)。
現在時価総額―
コア事業EV(時価総額 −ネットキャッシュ +非支配持分+退職給付 −非事業資産)―
市場が織り込むSOTP平均EV/EBITA(全社控除後)―
本モデルSOTP平均EV/EBITA―
└ EBITDA換算(÷―): モデルSOTP / EV/EBITDA法 / 市場―
現在 EV/EBITDA(FY27予想)―
FY26 PER(¥176.76) / FY27 PER―
現在 PBR―
含意コングロマリットディスカウント(SOTP vs ブレンド)―
市場が正当化するにはSOTP倍率を何%動かす必要があるか―
手法別 計算内訳
| 手法 | 計算式 | ターゲット株価 | ウェイト |
|---|
保守 / 中立 / 楽観 シナリオ
全パラメータをセット変動。中立はインプット値。
保守 (Bear)
―
―
エナジー減速(ピア12倍)・他セグ倍率▲15%・PER 21・EV/EBITDA 10.5・DCF OPM 11.5%/WACC8.5%・PBR 2.7・のれん10%控除・NCI利益ベース評価
中立 (Base)
―
―
入力値(会社予想整合・フォワードピア倍率・SOTP EBITDA換算12.8倍)
楽観 (Bull)
―
―
1Q run-rate定着(EBITA¥17,836億)・AI DC加速でエナジーピア20倍・他セグ+15%・PER 30・EV/EBITDA 15・DCF OPM 15%/WACC6.75%・PBR 4.0
エナジー倍率 感応度 — 最大ドライバー検証
日立エナジー単独でピアEV/EBITDAを変動(EV/EBITAは換算係数を乗じて自動算出)。他セグメント・他手法は固定。
| ピアEV/EBITDA | EV/EBITA | 同セグEV(億) | SOTP株価 | ブレンド株価 | 対現株価 |
|---|
SOTP マルチプル 一律感応度 — 「v2の倍率をそのまま使うとどうなるか」検証
| SOTPマルチプル調整 | SOTP株価 | ブレンド株価 | 対現株価 |
|---|
※ +30%相当がv2の倍率セット(DSS 18.5x / エナジー 22x / モビリティ 14x / CI 13x)をFY27利益に当てた水準。これが成長の二重計上であることが確認できる。
ガイダンス保守性 感応度(全手法の利益を一律上振れ)
1Q進捗21.3%(過去平均18.1%)を踏まえ、通期Adj.EBITA/EPS/EBITDAが会社予想を上回るケースを検証。+17%が1Q季節性年率換算に相当。
| 上振れ率 | Adj.EBITA(億) | EPS(円) | ブレンド株価 | 対現株価 |
|---|
為替感応度(海外売上比率 68%)
円安1%あたりの営業利益弾性値を入力。1Qの在外営業活動体換算差額+¥840億が示す通り、足元は円安が追い風。
EBITA弾性値(円安1%あたり%)
EPS弾性値(同)
| 為替変動 | Adj.EBITA(億) | EPS(円) | ブレンド株価 | 対現株価 |
|---|
PER 感応度(FY27 EPSベース)
| PER倍率 | PER株価 | ブレンド株価 | 対現株価 |
|---|
自社株買い 残枠実施率 感応度
| 残枠実施率 | 追加取得額(億) | 調整後株数(億) | ブレンド株価 | 対現株価 |
|---|