商船三井
FY27.3 1Q実績(2026/8/7開示)/ 通期予想ベース SOTP v2
Ticker:9104
基本情報
v2 主要更新(FY27.3 1Q決算短信反映):
①報告セグメントを新7区分へ再編(ケミカルロジスティクス新設、コンテナ船・自動車輸送は製品輸送へ統合。石油製品船・ケミカル船・メタノール船は旧エネルギーから、タンクターミナル(LBC)は旧自動車輸送・港湾・ロジから移管)。
②通期予想の大幅上方修正を反映(経常1,450→2,250億円 +55.2%、純利1,700→2,400億円、EPS 698.27円)。
③BS・株数を2026/6末へ更新(自己資本2兆9,786億円・BPS 8,668円、非支配株主持分572億円、のれん1,337億円)。
④実効税率入力を廃止し「経常→純利換算係数」へ置換(トン数標準税制+特別利益で純利>経常のため)。
⑤配当205円(累進下限、FY26.3実績200円から増配)。
現在株価(円)
最新値に更新して判定
発行済株式数(百万株)※自己株控除後
1Q末: 363,028,527株 − 自己株19,408,363株 = 343.6百万株
年間配当金(円/株)※FY27.3予想
累進配当:中間100円+期末105円。FY26.3実績200円
自己資本(百万円)※BPS算出用
2026/6末: 2,978,584百万円(BPS 8,668円)
経常→純利換算係数※旧・実効税率入力を置換
FY27.3予想含意: 純利2,400÷経常2,250 = 1.067
非支配株主持分(百万円)※控除対象
2026/6末: 57,239百万円(3末54,705から増加)
計算手法(純利換算PER法 + NAV調整):
各セグメント「経常利益 × 純利換算係数 × PER」= 株主価値を算出し、セグメント合計に
全社調整・隠れ資産価値(NAV調整)を加算、のれん・非支配株主持分を控除して理論時価総額を求めます。
係数1.067の根拠:MOLはトン数標準税制の適用等で実効税率が極めて低く(1Q実績: 法人税等67億÷税前681億≒9.9%)、 加えてFY27.3は固定資産売却益等の特別利益により予想純利2,400億円>予想経常2,250億円。 法定税率ベースの控除は実態と乖離するため、会社予想含意の換算係数を採用。係数1.0で経常利益ベース評価に戻せます。
係数1.067の根拠:MOLはトン数標準税制の適用等で実効税率が極めて低く(1Q実績: 法人税等67億÷税前681億≒9.9%)、 加えてFY27.3は固定資産売却益等の特別利益により予想純利2,400億円>予想経常2,250億円。 法定税率ベースの控除は実態と乖離するため、会社予想含意の換算係数を採用。係数1.0で経常利益ベース評価に戻せます。
セグメント別評価(新7区分)
利益ベース選択
FY27.3 会社予想按分(推奨・既定):2026年8月3日上方修正の通期予想(経常2,250億円・純利2,400億円・EPS 698.27円)を、
1Q実績と各セグメント定性見通し(ドライ・エネルギー・ケミカルロジ・コンテナ増益、自動車は10月以降ペルシャ湾回復前提、クルーズ減益)から新7区分へ按分した推計値。
セグメント合計2,130億円+全社調整120億円=経常2,250億円に整合。H2は経常990億円(半期)含意で市況正常化を織込済。
⚠ ピークサイクル警告:今期の上方修正(経常+800億円)の主因は中東情勢・ホルムズ海峡封鎖に伴うタンカー市況の急騰
(VLCC中東-日本 2026年4月$465k/日 vs 2025年平均$57k/日)です。会社自身が「2027年1月頃に紛争前の状態へ回復」を前提としており、
FY27.3利益はピーク性が強いため、高PERの適用は避け、ミッドサイクル比較を必ず併読してください。
ドライバルク事業
ケープサイズ(鉄鉱石・ボーキサイト)、パナマックス以下、Gearbulkオープンハッチ船。
1Q経常107億円(前年同期△34億円から黒字転換。決算期変更影響△11億円含む)。BDIは2026年5月に3,049まで上昇。
中東情勢による長距離航海敬遠+新造船竣工限定的で需給タイト。通期は前回予想比増益見込み。
セグメント経常利益(億円)
PER 倍率(倍)
ミッドサイクル利益(億円)※参考
推奨PER: 5〜8倍(市況依存・高ボラティリティ。BDI 3,000超は歴史的高水準)
エネルギー事業 (石油製品船・ケミカル船・メタノール船はケミカルロジへ移管済)
原油船・LPG・アンモニア船、オフショア(FPSO/三井海洋開発)、LNG・エタン船、ガスインフラ。
1Q経常150億円(前年同期220億円、LNGリファイナンス一過性益剥落で減益)。
ホルムズ封鎖でVLCC市況が歴史的高騰(4月$465k/日)→ 2Q以降に市況高が本格的に業績寄与する一方、
会社は2027年1月正常化を前提。通期按分660億円はこのピーク→正常化軌道を反映。
セグメント経常利益(億円)
PER 倍率(倍)
ミッドサイクル利益(億円)※参考
推奨PER: 7〜11倍(LNG/FPSO長期契約は安定だがタンカーはピーク利益 → 旧12倍から引下げ)
ケミカルロジスティクス事業 NEW
石油製品船、ケミカル船(MOL Chemical Tankers)、メタノール船(Waterfront Shipping)、タンクターミナル(LBC)。FY27.3新設セグメント。
1Q経常84億円(決算期変更影響+27億円含む・実力約57億円/3ヶ月)。米国発石油製品・化学品輸出増が追い風。
LBCのれん償却(のれん残高約1,050億円)負担継続。中期契約・長期顧客基盤で相対的に安定。
セグメント経常利益(億円)
PER 倍率(倍)
ミッドサイクル利益(億円)※参考
推奨PER: 8〜11倍(ターミナル・長期契約主体で安定成長、のれん償却は費用計上済)
製品輸送事業:コンテナ船(ONE持分法)
OCEAN NETWORK EXPRESS (ONE) 持分法利益+国内コンテナターミナル。
1Q経常52億円(前年同期73億円、燃料費増で減益)。5月以降アジア発北米・欧州向け運賃が上昇(CCFI欧州向け2,000超へ急騰)し、
通期は前回予想比増益見込み。ただし新造船供給圧力は構造的に残存。
セグメント経常利益(億円)
PER 倍率(倍)
ミッドサイクル利益(億円)※参考
推奨PER: 3〜6倍(極めて高いボラティリティ、船腹過剰リスク恒常)
製品輸送事業:自動車輸送・港湾・ロジスティクス他
自動車船(PCC)、海外ターミナル、ロジスティクス(LBCはケミカルロジへ移管済)。
1Q経常 約18億円(製品輸送70億−コンテナ52億。ホルムズ封鎖でペルシャ湾向け配船停止・燃料費増が直撃)。
会社は2026年10月頃にペルシャ湾航行再開・2027年1月正常化を前提としており、下期回復を織込んで按分240億円。
正常化後の実力(旧セグメントでLBC控除後 約400億円級)はミッドサイクル欄参照。
セグメント経常利益(億円)
PER 倍率(倍)
ミッドサイクル利益(億円)※参考
推奨PER: 8〜12倍(自動車船は完成車需要底堅い。今期は地政学要因で一時的低収益=逆張り側)
ウェルビーイングライフ事業
不動産(ダイビル)、フェリー・内航RORO船、クルーズ。
1Q経常19億円(うち不動産46億円/フェリー・クルーズ△27億円)。
不動産は英Capital House・Warwick Court寄与+インドAtrium Place竣工で堅調。
クルーズは2隻体制移行期で前回予想を下回る見通し → セグメント全体では前回予想比減益見込みだが不動産が下支え。
セグメント経常利益(億円)
PER 倍率(倍)
ミッドサイクル利益(億円)※負値時に代替
推奨PER: 12〜15倍(不動産が中核で安定。クルーズ赤字は立上げ期の先行費用)
関連事業・その他
曳船、商社、船舶運航・管理、金融業等。
1Q経常30億円(関連12億円+その他18億円、決算期変更影響+13億円含む)。
曳船・商社堅調で前回予想比増益見込み。
セグメント経常利益(億円)
PER 倍率(倍)
ミッドサイクル利益(億円)※参考
推奨PER: 5〜9倍(複合・補助事業)
全社調整
全社調整額のPER適用について:
セグメント間消去・配分外全社損益・管理会計調整を含む。デフォルトではPER 1倍(パススルー)を推奨。
1Q実績:+59億円(管理会計調整+86億円 − 配分外全社損益△27億円 + セグ間消去+0.1億円)。 通期按分は120億円(経常2,250億円との整合残差)。
1Q実績:+59億円(管理会計調整+86億円 − 配分外全社損益△27億円 + セグ間消去+0.1億円)。 通期按分は120億円(経常2,250億円との整合残差)。
全社調整額(億円)※経常利益ベース
1Q実績+59億円。年率では振れが大きい点に注意
全社調整額に適用するPER(倍)
推奨: 1倍(パススルー)
NAV調整(隠れ資産価値)
船舶簿価は1Qで1兆3,536億→1兆4,330億円へ増加(円安・新造船竣工)。中東情勢によるタンカー・バルカー中古船価上昇で時価>簿価の含みは拡大方向。
不動産はダイビル都心オフィス+英2物件+印Atrium Place。投資有価証券評価差額金は1Q末593億円(3末614億円)。
船舶含み益(億円)※簿価1.43兆円ベース
市況高騰で中古船価上昇。中立で+1,000〜1,500億
不動産含み益(億円)※ダイビル等
都心オフィス、英Capital House/Warwick Court、印Atrium等
ONE等持分法投資プレミアム(億円)※簿価超過
ONE現金水準やMODEC(FPSO受注好調)の市場価値ベース
投資有価証券含み益(億円)※その他評価差額金
1Q末の評価差額金: 593億円(うち未実現分を保守的に)
余剰現金等BS調整(億円)※任意
運転資金超過の現金、特殊BS項目等
のれん控除(億円)※マイナスで入力
1Q末のれん残高:1,337億円(うちLBC約1,050億円)。償却は費用計上済のため既定0
非支配株主持分控除(億円)※自動算出
非支配株主持分(百万円)から自動換算
NAV調整 合計(億円)※自動集計
船舶+不動産+持分法+有価証券+BS
判定結果(Baseシナリオ)
―円
理論時価総額
| セグメント | 純利換算 × PER | 株主価値(億円) | 構成比 |
|---|
セグメント株主価値合計(Sum of Parts) ―
全社調整額(純利換算・PER適用後) ―
= 収益ベース価値(小計) ―
+ 船舶含み益
+ 不動産含み益
+ 持分法投資プレミアム
+ 投資有価証券含み益
+ 余剰現金等BS調整 ―
− のれん控除 ―
− 非支配株主持分控除 ―
理論時価総額(親会社株主帰属 Equity Value) ―
加重平均PER(SOTP合成・純利ベース)
―
現在株価ベース 予想PER
―
実績PBR(自己資本ベース)
―
配当利回り(Dividend Yield)
―
FY27.3 予想ROE
―
Bear / Base / Bull 3シナリオ比較
Bear:各セグメント利益−25%(中東早期正常化・運賃急落)、PER−1倍、NAV調整は半分。
Base:現在の入力値(メイン算出と同じ)。
Bull:各セグメント利益+25%(紛争長期化・市況高止まり)、PER+1倍、NAV調整は1.5倍。
負値セグメントは全シナリオで mid-cycle 値を使用(チェックON時)。
負値セグメントは全シナリオで mid-cycle 値を使用(チェックON時)。
| シナリオ | 理論株価 | 理論時価総額 | 対現在 upside | 含意PER |
|---|
ミッドサイクル収益 比較
現在の入力値とミッドサイクル(正常化)利益での理論株価を比較します。
今期は中東情勢という明確な一過性ドライバーがあるため、サイクル位置の把握が例年以上に重要です。
ミッドサイクル側の計算では純利換算係数を1.00(特別利益なし前提)に置き換えます。
| セグメント | 現在利益(億円) | Mid-cycle利益(億円) | 乖離率 |
|---|
現在利益ベース理論株価(NAV含む) ―
ミッドサイクル利益ベース理論株価(NAV含む・係数1.0) ―
サイクル位置の示唆 ―
エネルギー事業 二次元感応度分析
エネルギー事業の利益水準とPER倍率の両方を変動させた理論株価マトリクス。
今期の業績変動の主役はタンカー市況(ホルムズ封鎖)であり、正常化ペースが最大のリスクドライバーです。
利益0.5倍水準(330億円)が「即時正常化」、1.5倍水準が「紛争長期化」の目安。
コンテナ船(ONE) 二次元感応度分析
コンテナ船セグメントの利益水準とPER倍率の理論株価マトリクス。
CCFI欧州向けは2026年に2,000超へ急騰しており、反落時の下値確認用。